2012年08月19日

散文

「ほれ、行くぞ」
そういってトンと私の背中を叩く。

時間にして1秒もないけれど、
私はその合図で飛び出していける。

合図をくれるあなたを信じているから
自分を信じて飛び出していける。

最高にして最強な合図。




---------------------------
すみません。久々すぎてSSとか書けないのですが
20巻読んでなんかこれだけ書きたくなったので。


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2007年12月21日

[SS]もうひとつの 使命 

私の作品の中では一番甘々だと思います。
でも短めなのでさっくりと、どうぞ。

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。



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2007年06月05日

[SS]にゃんこな時間

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。



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2007年01月31日

[SS]いつかの誕生日

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。








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2007年01月11日

[SS]乾杯は2回

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。






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2006年12月13日

[SS]スパンコール・ナイト[3]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。





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2006年12月12日

[SS]スパンコール・ナイト[2]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。

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2006年12月11日

[SS]スパンコール・ナイト[1]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
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2006年11月13日

[SS]例外オオカミ

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。











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2006年11月06日

初☆コラボ企画発進!

じゃじゃーん!
kikiさんのところで既にご存知の方もいるかと思いますが
(こちらの作業1日遅れですみません…)
初めてコラボ企画(と言っていいのかわかんないけど)なるものを
やってみました。

いや、やってみたって言っても全然計画的なものじゃなくて
「棚からぼたもち」なんですけどね(笑)。
前に書いた「ラヴ・レター」というSSの言い訳エントリー
「この時の状況は好きに妄想しちゃってください〜」
と無責任なことを書きまして。
そしたらkikiさんから「こんな感じに想像しましたー」っていう内容のメールを
送っていただいたので、「ぜひSS仕立てに!」とダダをこねたら
書いてくれたというものです。
うひ。
我がまま言ってみるもんだね♪

いやあのほんとにね。
私のあんな超ショートSSなんかよりよっぽどちゃんとしたストーリーだし
トラパス色満載ですよ!
これからうちのSS読む人は、むしろあっちが本編その1で、
こっちが小道具くらいの勢いで読んでいただけると、はい。

と、前置きはこのくらいでkikiさんのサイト「trap KOOL」はこちらですので
ごゆるりとお楽しみください。
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2006年10月14日

[SS]ラヴ・レター

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。




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2006年05月02日

[SS]What's a present?[2]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。


※トラップ誕生日記念SSです。

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2006年05月01日

[SS]What's a present?[1]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。


※トラップ誕生日記念SSです。

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2006年04月15日

[SS]光の先

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。




SS「光の先」はこちら
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2006年03月28日

[SS]一番乗りの行方[2]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。














[2]

は?

「オレ、なるべく早く頑張って盗賊になって、パステルに『トラップなんかよりオレの方が使えるからオレを仲間に入れて』って言うのが目標なんだ! だから、トラップにはその前に堂々と『おまえよりすごい盗賊になってやる!』って言うんだ!」
ガキは、既に盗賊になっているのかと思うくらい自信がみなぎっている。
おれは脱力感を味わいながらも、なんだかふつふつと笑いがこみ上げてきた。
パステルの書いた文章で、おれのライバルが増えるとは思ってもみなかったな。
そんだけ、あいつの腕がいいってことだ。

おれはパステルの代わりにこのガキに感謝の気持ちを伝えるべく、ガキの頭をくしゃくしゃにしてやった。
「何すんだよぉ!」
「あのな。このトラップ様を抜くなんて10年早いんだよ! それに、10年経ったら、おれはさらにおまえが20年かからないと追いつかないとこまで行ってるからな。だぁらな、パステルとパーティ組むのは、悪いがずっとこのおれ様だ!」

「なっ……! にーちゃん……が、トラップ……!?」

ガキはおれを指さしながら、ぱくぱくと口を動かしている。

ふっ。
ガキ相手にちょっと本気出しすぎたかな。
でも、『鉄は熱いうちに打て』だ。
ん? ちょっと違うか?
『出る杭は打たれる』?
まぁ、いいや。要は、ライバルは早いうちに叩いておくに越したことはない。
おれは大人の余裕を見せて、頷きながら笑いかけてやった。

が、ガキは口のぱくぱくをだんだん落ち着けると、なぜかまた小憎たらしい笑みを浮かべ始めた。

なんだ。まだ打たれ足りないってーのか?

「つまり、にーちゃんさ。パステルって人のこと好きなんだ。他の盗賊が代わりに入るのがいやなんだ。そんでパステルの作品を一番に読みたいからあそこに来てるんだ!」

あまりにふいな攻撃におれはつい「大人の余裕笑顔」をひいてしまった。
しまった、と思う時にはもう遅く、目の前の小僧はそのおれの顔を見てVサインをした。

「あったりーーー!」

突然すぎる、形勢逆転。

「ねぇねぇ! パステルはそれ、知ってるの? きっと知らないよね。オレ、会った時に言っちゃおうっかな〜」

悪夢だ……。

「……どうしろってんだよ」
おれの恨みがましい目線をものともせず、ガキは満面の笑みを浮かべ
手を差し出した。

「なんだよ」
「もっちろん! 口止め料!」

おれは手をひざにやり、がっくり肩を落とした。

おれは、いつから10やそこらの子供に金をせびられるような男になっちまったんだよ。
つーか、いつからこんな小さなガキにすぐに見破られるようなリアクションとるようになっちまったんだよ。
この交渉術に長けたおれが!
これも全て……あの迷子好きの天然マッパーのせいだ!

心の中で一通り叫んでから、目の前に差し出された小さな手をぱちんと軽く叩いた。
「おっし。んじゃな、今度からおれが印刷屋の若旦那にお金払ってもらった本を、読み終わったらおまえにやる。それでいいだろ?」
「えーーー。ケチ! それじゃ、にーちゃんが一番乗りになっちゃうじゃん」
ちっ。ばれてるか。更に言えばこれなら出費も変わらねえ。
「そんじゃ大マケにマケて、パステルにも会わせてやるっておまけつきでどうだ?」
「え? ほんと!?」
ガキは今まで見せたことのないぐらい瞳をきらきらさせた。
なんだ、こいつも年相当っぽい顔するじゃんか。
「おお、男に二言はないぜ。でも、今日の会話の件は一切しないって男の約束を守ったら、だ」
「わかった。男の約束だ!」
興奮気味に即答した後、「でも」と続ける。
「盗賊になってパステルと冒険するのはあきらめないもんね!」
「はん。望むところだ」
おれは自信たっぷりに答えながらも、頭の中で必死に

こいつが10才ぐらいだとすると17才になった頃、パステルは24才前後……。やべぇ、ありえなくもねえぞ。

などと計算していたことは内緒だ。

そうしてお互いの利害が一致したところで、おれとガキは、それぞれ思惑を孕んだ目で見つめ合い、握手をした。
気分は「友好条約及び秘密保全協定の締結」ってとこだろうか。


「しっかし、こんな熱心なパステルのファンがいるとはな〜」
おれは改めて感心する。
「んだよ。いーじゃんか!」
ガキがふくれる。
「誰も悪いなんて言ってねーだろ? あいつ、おまえに会ったらすっげー喜ぶと思うぜ。だから……むしろサンキュー、な」
「あれ? にーちゃん、赤くなってない?」

……やっぱりこいつはヘンなとこ鋭い。
おれは地平線から大分輝きだした光の方を向きつつ「うっせ。太陽のせいだよ、太陽!」と言いながら、そのままガキに別れをつげて歩き出した。

名前も住んでるところも知らないガキだけど。
きっとあそこに行けばまた会えるだろう。
地平線からゆっくりと朝を告げる光がもれはじめた頃に。

Fin.
posted by うみ at 21:43| Comment(6) | TrackBack(0) | FQ創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月24日

[SS]一番乗りの行方[1]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。












地平線からゆっくりと朝を告げる光がもれはじめた頃。

「くわーーーっ!」
カジノの店を出たところで、おれはよくわからない声を発して思いっきり背伸びをした。ついでに肩もコキコキ鳴らす。
さすがにオールで賭け事すると疲れるよな。
負けるとなれば尚更。
しかし、今日はそんなことどうでもいい。
おれの真の目的はこれからなんだから。


まっすぐ向かうは、このシルバーリーブにある印刷屋。
ドアの前に着くと、人目をはばかりながら(こんな時間に人なんかほっとんどいねーが)、スパイのようにノックする。
ドアの向こう側からは間髪入れずにいつものさわやかな声で若旦那の返事が聞こえた。
「トラップさんですね。どうぞー!」
……あんまり大きな声で名前を出して欲しくないんだが。
おれはドアをひいて自分の体が入るだけの隙間をつくって印刷屋の中に滑り込む。

朝のこの時間は印刷機もフル回転。
そこら中インクの匂いが充満し、規則的な音が響いている。

おれが若旦那に近づくと、若旦那はにっこりしながらいつものやつを手渡してくれた。
おれも何も言わず、いつも通りその代金分のお金を手渡す。
そして黙って目的のものを読み通す。

が、ここからがいつもと違った。
いつもなら、若旦那はおれが「ありがとよ」と本を返すまで黙って印刷機の様子を見てるはずだが、この日はおれが読み終わると若旦那から話しかけてきた。
「実はですね」
「ああん?」
おれは本を閉じて若旦那を見る。すると若旦那は秘密を打ち明けるように口を開いた。
「今日はトラップさんが一番乗りじゃないんですよ」

なに!?

おれはまさしく目が点になった。

かなり前から「冒険時代」発売日の早朝にはこうして印刷屋に寄って一番に読むのが習慣だった。
いや、別に最初は一番に読みたかった訳じゃねえ。
ただ、誰にもバレないように読むには本屋に並ぶ前がいいって考えただけで。
ついでに言えば、宿に本を持ち帰る訳にもいかねえから、若旦那には「一人でも多くの人に読んでもらった方がいいだろうから」などと言い訳しつつ、代金はどちらかというと口止め料として渡し、読み終わった雑誌は若旦那に返していた。
だが、一番にあいつの作品を読むってこともできるんだと気づいてからは単に「内緒で読む」という目的だけじゃなく、「一番に読む」ことも目的に加わり、どんどん印刷屋に向かうのが早い時間になっていったって訳だ。

それが。

一番乗りじゃないだと!?

おれの不機嫌さが表に出たのか、若旦那は多少慌てて笑顔を作ってつけ加えた。
「あ、ほら。まだいますよ」
そう言って、顔を印刷機のさらに奥の方に向けた。
しかしおれの目線には何も入ってこない。
どこだよ、そう言おうとして少し目線を下にした時、足が見えた。
明らかに細くて小さい足が。

「悪いけど、今日はオレが一番だよ」
ようやく障害物がない場所に出てきたそいつは、どうみても10才いくかどうかという生意気そうなガキだった。

「前回の発売日にさ、太陽が出てすぐにここに来て、一番に読ませてもらおうと思ったら、そのお兄さんに『読んでもいいけど、今日は二番だよ』って言われたからさ。今日は絶対一番とろうって思ってたんだ。よかった、今日は勝てて」

勝ち誇ったようにニヤリと笑って、そいつは印刷機の隣にあるイスにひょいっと腰をかけ足をぶらぶらさせた。
こいつ、それを言いたくておれが読み終わるまで隠れてやがったのか。
訂正。生意気そうな、じゃない、生意気なガキだ。

「あのな。おれはこんなことで一番二番なんて争うようなガキじゃねえの。だぁら、勝ったとか負けたとか関係ねえから」
悔しい思いを顔に出さないようにしながら、おれもニヤリと笑った。
手ごたえのない返事にガキは少し口をとがらせながら聞いてくる。
「ふぅん。じゃあ、なんでこんな朝早く来るの?」
「それはだな。……カジノやってから来るとたまたまこのくらいの時間になるだけだ」
「でも本屋に並ぶ前に読みたいから来るんでしょ? にーちゃんは誰のファンなの?」
若旦那は「お兄さん」で、おれは「にーちゃん」かよ。
「誰とかじゃねえ。『冒険時代』全体が好きなんだ。お子様にはまだ理解できないお話があるだろうけどよ」
話がやばい方向にきそうだったので、おれはさっさとトンズラすることにした。
若旦那に雑誌を返しながら「じゃ、また」と挨拶をし、来た時と同じようにドアを最小限に開けて店を出る。

と、あのガキもおれの後にぴったりついて店から出てきた。
後方の下から視線が刺さる。
「ねえ、なんでそんなウソ言うの?」
「ウソじゃねえ」
「だって、さっきほんの数ページしか読んでないのに、もうお兄さんに本返したじゃん」

……こいつ、ヘンなとこ鋭いな。
おれはこれ以上突っ込まれないよう、振り返って目線を下にやり、逆に質問をぶつけた。

「で、おまえは? 誰のファンなんだよ」

と、それまでの生意気そうな雰囲気が嘘のようにしぼんだ。
「べっ、べっつにー。誰でもいいじゃん」
ほっほー。
「もしかして、あれか? 巻末の4コママンガか?」
おれがからかうように言うと、向こうはムキになった。
「そんなんじゃない! ……ちゃんとしたお話だもん」
「じゃあ、誰か教えてみそ」
すると、ガキはむーっとおれを精一杯睨みつけてからぼそっとつぶやいた。

「パステルっていう人」

おれが息を飲んだことには気づかずに、言葉を続ける。
「最初は、うちのにーちゃんが買ってきた雑誌をパラパラ見てただけなんだ。でも、そこでたまたま開いたページ読んだら、すごくおもしろくてさ。その後、他のも読んだけど、やっぱり最初に読んだのが一番おもしろかったんだ。それがパステルって人が書いたやつだったんだよ。それからはにーちゃんが買ってくる度に読むようになったんだけど、だんだん待ちきれなくなって、それで印刷屋に行ったら一番に読めるかなと思ったんだ」

「……へぇ」
他に返事のしようがなく、適当な相槌を打つ。
しかし、ガキはさらに勢いづく。
「でさ! この間、印刷屋のお兄さんに聞いたんだけどさ。パステルって人、シルバーリーブにいるっていうんだ! オレ、全然知らなくてさ。書いてる人にも会ってみたいし、それから、同じパーティにいる盗賊のトラップって奴にも会ってみたいんだ! もしかして、にーちゃん、知ってる?」

知ってるっつーか、なんつーか……。これも答えに窮し、おれはまたもや逆質問の手を使った。
「それより、おまえは会ったらどーすんだ?」

「パステルにはサインもらってファンですって言う」
「もう一人は?」
「オレ、パステルの書いた冒険読んで盗賊なりたいなって思ったんだ」

おれの心の奥がくすぐったくなる。
「だから……」
おれも「ファンです」とか言われるのか? そりゃ照れくさいな。
などと思っていたら、ガキはほざいた。

「ライバル宣言をする!!」

[2]へ続く
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2006年03月01日

[大体2万HIT記念]未来の指定席〜フリーSS用

そんな訳で、「未来の指定席」を本日より3月31日まで
フリーSSとさせていただきます。
持ち帰りたい方は以下の部分をコピペしてどぞ。
掲載する場合は、「うみ」と「Fortune Story」をどこかに入れてくれればOKです。
(本来「うみ」だけでもいいのですが、ありがちなHNの為、別の方にご迷惑
かけてしまう可能性があるので、サイト名も入れていただければと思います。
……もっとHNを考えるべきだったなぁ)
リンクはしなくていいですよ〜。


配布は終了しました。
ありがとうございました!








以下持ち帰り用テキスト
posted by うみ at 23:23| Comment(7) | TrackBack(0) | FQ創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

背中越しの約束[2]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。













残るはおれと……この足取りがおぼつかないマッパーの二人。
「よし。帰るぞ」
また迷子にでもなられたら(らち)が明かないから、そいつの手をとり、引っ張ってずんずん歩く。

歩きながら、さっきの男とこいつが並んで歩く後ろ姿を思い出していた。
ちっきしょー!
こいつは、他の男が肩を抱いてるのを見た時のおれの動揺なんて、ちっともわかっちゃいねえんだ。
大体、あんなに間単に肩に手をおかせるもんじゃねえだろ!
くそ。つきあってたら「おれの女だ」つって3秒でKOしてやったのに。
……まぁ、でも、男の手を振り払って、こっち来た時のパステルの笑顔はちょっとやばいぐらいかわいかったから、許してやらないこともないけどな。
あの時の勝利感つったら、なかったもんな。

そんなことを考えていたら、ふいに後ろのパステルが立ち止まった。
振り返ると、また見知らぬ男に声をかけられていた。
「そんな男やめて、おれとどう?」

だああああ。

パステルはさっきおれに向けたのと全く同じ警戒度ゼロの笑顔で
「えーーーっと。はじめまして〜〜」
なぞと答えて、ばか丁寧にお辞儀までしている。

だめだ。
手つないでるぐらいじゃ、こいつはだめだ。
おれはその男に「こいつは今からおれと同じところに帰るんだ。おまえに用はねえ」と「同じところ」を微妙に強調して釘を刺し、そいつが見えなくなるところまでパステルを無理矢理引っ張った。

パステルの前で後ろ向きにしゃがみ、背を差し出す。
「のっかれ」
「へ?」
「今のおまえと一緒に歩くとこっちまで転ぶからな。おぶってやるって言ってんの」
普段なら「恥ずかしいからいやだ〜」と言われるところだが、酔いですっかりご機嫌になっているあいつは「わ〜い」と素直に、おれの背中に体重を預けてきた。

おし。
これでもう、余計な野郎に声をかけられることもないだろう。
背中で感じる体温におれもようやく安心して歩調をゆるめる。

もし、おれがこいつを見つけてなかったら、こいつは今頃どうなってたか……考えるだけで胸ん中がざわざわしてくる。
とにかく。
ただでさえ、こいつは隙がありすぎるのに、酒が入ると10倍以上危険だってことがよ〜くわかった。
あの笑顔だって気安くばら撒きすぎなんだよ!
あれはおれだけの……いや、そんなことは置いといて。
やっぱ一言こいつにガツンと言ってやらないと気が済まねえ。

「おい」
「んー?」
半分寝たような声。
「おめえな」
おれは思った以上にストレートになってしまった言葉を息と一緒に吐き出した。
「今後、おれのいねぇところで酒は飲むな」
何を言っているんだ、おれは。
言ってから、身構える。
が、パステルはただでさえふにゃふにゃな声を、さらに芯のない声にして言った。
「そっかぁ〜。そうじゃないと帰れなくなるもんねぇ〜。じゃあ、そうする〜」
パステルのくすくすと笑う声が背中越しに伝わる。
「ば〜か。毎回おれがこんなことすると思うなよ!」

こいつがいるのが背中でよかった。
顔を見られずに済む。
今のおれの顔は、きっと言葉とは正反対の表情をしてるだろうから。

Fin
posted by うみ at 22:38| Comment(3) | TrackBack(0) | FQ創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月28日

背中越しの約束[1]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。












[1]
「ほんっと、ごめんなさい!」
リタが顔の前に両手を合わせて申し訳なさそうに言う。
が、聞いているこっちのメンバーは半分「またか……」という雰囲気を漂わせていた。
というのも、リタが謝っている理由っていうのが

パステルとはぐれた

というものだったから。
いくらなんでも普段だったら住み慣れたシルバーリーブで迷う訳がねぇが、今日は祭りで人口が倍以上に膨れ上がっている。
中心にある広場にはステージが組まれ、それを取り囲むように出店がひしめきあっている。さらに、そのすき間を埋めるかのように様々な種族が歩き回り、笑い、大声を出していた。近くの冒険者もかなり集まってきている。
そんな状況だから、さっきもルーミィが人混みに紛れそうになって、ノルが肩にかついだところだった。
そんなノルを含め、パステル以外のメンバーが会場の端っこの方で一息ついていたところに駆け込んできたのが、冒頭のリタだった。

リタはおれ達のぬるい反応にも気づかない様子で続ける。
「お水持ってくるからここで待っててね、って言ったんだけど戻ってきたらいなくなってて……」
「お水?」
意外な言葉にクレイが反応する。

リタは腰を90度に曲げて、もう一度、今度は頭の上に手を持っていって合わせた。
「ほんっとにごめんなさいっ! パステル、間違えて果実酒を一気に飲んじゃったみたいなの! 私も全然気づかなくて、気づいた時にはもう、パステルはふらふらになってて……」

おれはそこまで言葉を聞いたところで、会場の渦に飛び込んでいった。
後ろからクレイの「リタが責任感じることはないよ。間違えたのは本人なんだから。とりあえずノル、キットン、おれ達も手分けして捜そう」という声が流れて、消えた。

屋台にかかっているカンテラは自分のところを照らすので精一杯で、人の歩くスペースはうすぼんやりとしている。
おれは人の壁をすり抜けながら、見覚えのあるシルエットを必死に捜した。
ったく、あのマッパーは何やってんだ!
毎回捜すこっちの身になってみろってーの。
心の中でつぶやいたその時、まさにその見覚えのある髪の毛を束ねた後ろ姿がおれの目にとびこんできた。

「ったく、世話がやけるな」

そう声をかけようとした一瞬前に、その髪の毛がゆらりと揺れて、見知らぬ男の胸の中に飛び込んでいた。

「おっと。大丈夫かい?」
パステルの肩に手を置いた見知らぬ男は、頑丈なアーマーに身を包んだ、どこからどう見てもバリバリの冒険者だった。遠くて冒険者カードは見えやしねえが、おれより大分上であることだけは確かだ。
背は……クレイくらいか。
鍛えられてはいたがごつくはない体で、肩につくくらいの金髪はいかにもナンパな感じにうねっている。
と、そいつはそのままくるりとパステルの後ろに周り、パステルの肩に置いた手をぐっと自分に引き寄せると「こっちに行きたいんだね。じゃあ、ついていってあげるよ」などと言いながら、雑踏の中へ消えていく。「ありがとうございます〜〜」という妙に間延びしたパステルの声も聞こえた……ような気がする。


冗談じゃない。


おれの中の「冷静な思考」はここでブチ切れた。
慌てて、人垣の上にちょっとだけはみ出て見えるアーマーに視線を固定したまま、右へ左へと人をかき分けて後を追う。
その背中に「そいつに何かしてみろ。ただじゃおかねえぞ。」という無意味なメッセージを投げつけながら。

そうして、ようやく追いつき、目の前に再びアーマーの背中がそびえ立った。
変わらず、手はパステルの肩にまわっている。

「おい」
おれはこれ以上ない不機嫌低音声で声をかけ、パステルの肩にかけてるアーマー男の手をぐいと引っ張った。
「おおっと」
ふいをつかれたアーマー男は、手を引っ張られた勢いでこちらを向き、おれの姿を認めるとふっと笑った。
「ずいぶん、無礼な声のかけ方だな。迷子なら他の人に聞いてくれないか。おれは土地の者じゃないんでね」
言い終わると再びパステルの肩をとろうとする。
「そいつをどこに連れていく」
おれは、その手をもう一度振り払おうとした。
が、今度はぐっと力を入れられ、振り払うことができず、再び手はあいつの肩へと収まった。
相手からも笑みが消える。
「おまえに関係ないだろ?」

その瞬間、自分でも声が一瞬つまったのがわかった。

「おれはそいつの……連れ、だ」
おれの()と言葉で、向こうはさっきまでとは別の笑みを浮かべた。
「ふん。連れ、か。曖昧だな。なんにしても、今どうするかはこの子次第だ。おまえは連れと思っていても、この子はそうは思ってないかもしれないし、連れであったとしても、今は別行動をしたいかもしれない。だろ?」
「ああ、そうかもしんねえ。でも少なくともそいつはあんたと行動したいとは思ってないはずだ」

おれと男との視線が(くう)で交差したその時、ずっと腑抜け状態で立っていたパステルがいつもの10倍ぐらいの遅さでこっちを向いた。
「あーーーー! 声がすると思ったら、やっぱりトラップだぁ!」
緊張というものが100%抜けてる顔と声とタイミングに、こっちの緊張まで吸い取られる。
ったく、こいつは……。
おれがいつもの調子で説教しようと口を開きかけると、パステルは男の手をすり抜け、ふらふらとした足取りでおれの目の前に来て、へらっと笑った。
「なんかね〜。旅館の方角がわかんなくなっちゃったの〜。トラップ、一緒に帰ろう〜」

男は、パステルの肩の形のまま宙に浮いていた片手をそのまま降参というように上げた。
「どうやらこっちの負けらしいな」
「悪りぃな」
おれはニッと笑った。
「そんなに大事な連れなら、ちゃんと掴まえときな」
向こうはすれ違いざまにおれの肩をぽんと叩くと、そのまま人混みの中へ消えていった。

[2]へ続く
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2006年02月05日

ファーストプレゼント[3]

※「フォーチュン・クエスト」((c)深沢美潮/迎夏生/メディアワークス/角川書店)の創作です。
トラパスですので、そのカップルはだめ、カップリング自体だめという方は
ご遠慮ください。












[3]

その夜。
ルーミィがやたらとおれに構ってくるので、おれのいたずら心に火がついた。
チビに向かって神妙に言う。
「ルーミィ、今から目をつぶって願い事してみ。おれがその願い事がかなうよう、まじないしてやっから」
「ねがいごとぉ?」
「例えば、ケーキが食べれますように、とかだな」
おれのこの例えがかなり的確だったらしく、ルーミィは目をらんらんとさせて
「しゅるしゅるー!」
と言いながら、素直に目を閉じた。

おれは今日買ってきた万年筆をそっと取り出し、ルーミィの頬にぐるぐるとうずまきを書いた。
「よし! まじない終了!」
ルーミィは何も気づいてない様子で「わ〜い! ケーキ、ケーキ!」とはしゃいでパステルのところへ向かっていった。
うっくっく。おもしれえ!
ルーミィ、うずまき似合うな。

おれが一人声を噛み締めて笑っていると、すぐにパステルがとんできた。
「トラップー!! トラップでしょ、ルーミィにあんなことしたの!」
「はぁ? なんのこと」
とおれが言うより早く、おれの手にあった万年筆を取り上げた。
「これが何よりの証拠!……って、これどうしたの?」
「……もらった」
だいぶ金出してだけどな。
「えー、すごーい! これ、丈夫で長持ちって評判いいやつだよね。いいなあ。これ、いつかは1本持ちたいって思ってたんだ。誰からもらったの?」
「おまえな、これだけのもんくれるっつったら、そら年上のイイ女ってことぐらい想像つくだろ」
思った以上に年上だけどな。最初泥棒と勘違いされたけどな。

しかし、あいつはおれの回答などさほど聞いてないようで、万年筆を近づけたり、回したりとじっと見ていた。
「欲しけりゃ、やるよ」
おれがぼそっとつぶやくと、あいつは真ん丸な目をしてこっちに振り向いた。
「え? うそ! だって、せっかくもらったんでしょう?」
「おれはその気になりゃ、それぐらいのものいつだってもらえるからな」
「本当に? うわ〜! すごく嬉しい!!」
あいつははじけんばかりの笑顔で、万年筆を胸のところでぎゅっと持った。
「トラップ、ありがとう!」

わっ。
なんだ。
今、心臓の辺が熱くなったぞ。
おれは慌ててヘタなあくびをして「眠くなったから寝る」とその場をとんずらした。

あー、つまり、なんだ。
考えてみりゃ、ちょっと変わった渡し方とはいえ、女にプレゼント渡したのって初めてな訳で、だから、そこんところに動揺したんだな、きっと。
その女がパステルだったってのは関係なく。
決してなく。

そんなことを考えながら、時々あいつの笑顔を思い出しながら、
おれはこの日の夜を実に気分よく寝た。




次の日にその万年筆がルーミィの手によってバラバラに分解されたあげく、ペン先をなくして二度と使えなくなる……、なんてことになるとは知らずに。

Fin
posted by うみ at 15:26| Comment(3) | TrackBack(0) | FQ創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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